May.25-26, 2024 / house next door (Kobe)
パフォーマー:中間アヤカ、野田容瑛
コンセプト:山田カイル×ジュネスホワイト
インストラクション:山田カイル
Performer : Ayaka Nakama, Yoeh Noda
Concept : Kyle Yamada and JeunesseWhite
Instructions : Kyle Yamada
/ 公演に向けて 抜粋
方丈の小屋での孤独な生活に平穏を見出した長明。私たちは、現代社会の隔離と孤独のなかに、自由や希望を見出すことができるでしょうか?昨年創作した自らのパフォーマンスを様々な場所に置き換えながら国内外で上演を重ねる野田容瑛と、神戸に新しい創作の場を作ったばかりの中間アヤカによる2本立ての上演です。繰り返される上演が、新しい空間と出会うことで、どのように変わるのか。新たな空間が「方丈」と出会うことで、何が生まれるのか。
/ Archive of ver. Yoeh Noda (Photo by Junpei Iwamoto)
/ Statements
「家と住人」
「アヤカさんの新しいスペースで『1(忘)LDK』をやりたいんです。」と相談を受けたのは、後にhouse next doorとなる長屋の改修工事が始まって間もない頃で、前の住人の表札がまだ残っているような状態であった。立つ舞台がどんな場所になるかも想像の付かない中で、よく声をかけてくれたと思う。表現を志す人間というのは、都市の中にぽっかり空いたスペースを目ざとく見つけ、やっていくものなのでしょう。10年前に一人きりでここに暮らしていた人のことを近所の人たちはよく知っていて、工事の最中に顔を覗かせてはその人の思い出話を聞かせてくれた。酒を飲みすぎて倒れたその人を何度もこの家に運んできたのだと。そんな記憶を受け取りつつも、私は、私の『1(忘)LDK』を踊りたいと思います。
中間アヤカ
「折りたたみ1(忘)LDK」
「ひとりで創り、ひとりで上演すること」がコンセプトのこの企画で、最も楽しいのが他の人がつくった作品を見る瞬間。これまでに私を含め4人のアーティストが上演してきた。表現の手段や内容は千差万別で、インストラクションが改めて無数の可能性に開かれていることを実感する。同時に、「1(忘)LDK」を上演する私たちはみんな同じ家に住んでいるかもしれない、というような気もしてくる。時間も場所も間取りも住人も異なるのに、同じ家かもしれないという不思議な錯覚。すると今度は自分の上演のとき、まるで「ひとり」ではないような感覚が訪れる。これまでに上演してきた場所とパフォーマーの実践の記憶がインストラクションに宿っている。見えなくてもそこにある気がする。世界の痕跡の上で自分の上演の時間を過ごす。
きっとこのインストラクション自体が、仮の宿りとそこへ住まう人を求めている。アヤカさんとともに、house next doorでこのインストラクションに向き合えることがとても嬉しい。ここで踊り、また移動を続ける。
野田容瑛
「いくつもの『方丈』」
『1(忘)LDK』は、昨年、ジュネスホワイトの二人と一緒に『方丈記』のことを調べて作った作品です。その時に知ったのですが、鴨長明が住んでいたような「方丈の小屋」を建てるのは、結構流行っていたそうです。長明は時代を憂いたオンリーワンの隠遁者ではなかった。各地の霊山などに多くの僧侶が一部屋だけの小さな小屋を立てて、日々祈りながらそこに暮らしていたのです。たとえば熊野の山中には、多い時は数百もの小屋が立っていたといいます。何百もの僧侶が、密集した小屋のなかで、一人きりで暮らしていた。つまり、都市があったと言って良いでしょう。「一人きりの人々が並んで暮らす」というのは、長屋暮らしも連想させます。元々長屋であったhouse next doorでどのような上演が生まれるか、是非、観にいらしてください。
抗原劇場 山田カイル
/ Flyer by Yoeh Noda


